とも家事アクション
毎月第3日曜日(家庭の日)からの1週間を
「とも家事アクションウィーク」とし、
毎月のテーマに沿った時短テクニックや
アイデアをご紹介します。

「家事のマイナス」
を増やさない!
我が家流の
「掃除スタイル」の見つけ方
理想とする「綺麗の度合い」や「掃除の頻度」が異なるので、自分だけに負担がかかってイライラすることもしばしば…。家族内で掃除の意識(価値観)を合わせるコツはありますか?教えて、三木さん!
「フローリングまでピカピカに磨かれた状態を目指したい」と思う人もいれば、「ゴミが落ちていなきゃ良いじゃん」と思う人がいるように、掃除に関する価値観は人によって本当にさまざま。毎日掃除したい人もいれば、週1回程度で十分と考える人もいます。また、フローリングをシートで一周床掃除しただけで満足する人もいれば、フローリングシートをかけた後、掃除機をかけ、さらに濡れたシートでもう一回拭き上げるという人もいるでしょう。「意識」や「価値観」を無理に合わせようとすると、それぞれの言い分が出てきます。お互いが納得できるような中間地点を探すのは本当に大変なので、切り口を変えて考えてみましょう!
”私”の「ピカピカにしたい」という希望は、「ピカピカにしてほしい」とはきっと違います。そうではなくて「わたしはピカピカにするのは気持ちがいいけど、かといって、家族が無造作に汚したものを掃除し続けるのはしんどい」ということだと思います。
この場合、家族に求めるべきは「家事のマイナスを増やさないこと」です。「できるだけ汚さない」「汚したらその場できれいにする」を家族の習慣にしていきましょう。
なるほど!確かに「家事のマイナスを増やさないこと」をお互いが意識することで、誰かだけに偏った家事負担を減らすことができそうですね。習慣化するためのコツはありますか?
習慣化するためのコツでおすすめなのは、「すぐにきれいにできるように掃除グッズを置いておくこと」です。
たとえば、洗面所の鏡などは歯磨き中の飛び散りで汚れやすいし、洗面台も子どもたちはすぐに汚します。なので、洗面所に小さなスポンジを置いておいてすぐに掃除できるようにする。鏡用のウロコ取り用のスポンジもあるし、洗面台を拭き上げる用に布巾を近くに引っ掛けて置くのもいいでしょう。
掃除機も奥にしまいこんでしまうより、すぐに手に取れるところに置くと便利です。ハンディタイプやスティックタイプ等、コンセントに繋がなくてもすぐ使えるものがおすすめです。洗面所や、リビングダイニングの誰もがすぐ手に届くところに置いておきます。消しゴムのカスや、洗面所に落ちた髪の毛、小さな汚れを放置しない仕組みです。そして、すぐ手に取れるところに掃除道具があると、家族にも掃除を頼みやすくなります。
スムーズに家事シェアを進めていくため、「家族は組織でありチームである」ということを忘れず、「どんな状態が心地よいか」といった基準は家族みんなで話し合いましょう。そして、誰かだけに偏らない!家事のマイナスを増やさない!仕組みづくりをしてみましょう。ぜひ、ご家族で実践してみてくださいね。
お掃除ティップス
年末だけに頼らない!
大掃除の「12分割」と
家族でシェアする掃除の新習慣
換気扇やエアコンフィルターの掃除など、日常の「ちょっとした掃除」とは違う、大掃除レベルの「念入りな掃除」。みなさんのご家庭では、この「念入りな掃除」を家族でどうシェアしていますか?
「シェアなんて出来ていないよ!」という声が聞こえてきそうですが、実はその通り。実はこの「念入りな掃除」は家族でシェアするのが難しく、「結局自分ばっかりやっているな…」と感じている人が多いのが現状なのです。
今回はそんな人たちの”モヤモヤ”を解消すべく、日本唯一の家事シェア研究家である三木 智有さんに「家族で上手にシェアするポイント」を教えていただきました。
体験談や季節ごとにおすすめな掃除もご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
家族でシェアするときのポイント①
「汚れが気になる人」が
リーダーシップをとろう!
三木さんによれば、「念入りな掃除」を家族でシェアする場合は「シュフ型※」を採用するのがおすすめなのだそう。
※「シュフ型」とは、三木さんが提唱している4つの家事シェアタイプの一つ。家庭内にシュフ(主婦、主夫)的な役割を担う方がいて、その人がメインで家事を回しながら「これお願い」「あれお願い」と家事を振り分けていく方法です。
ここで大事なのは、「汚れに最も敏感なひと」がリーダーシップを取ること。
普段から掃除をしている方は、汚れが目立ってくると「そろそろ掃除が必要だな」と気が付くかもしれませんが、汚れへの感度や理想の頻度も本当に人それぞれ。自分が気になったタイミングでも、家族は「まだまだ平気でしょ」と思っているかもしれません。
そのため「汚れに最も敏感なひと」がリーダーシップを発揮するのがおすすめです。
「網戸掃除はパートナーの担当で、来週の土日によろしくね」といった形で、どんどん家事を振り分けていきましょう。
家族でシェアするときのポイント②
事前に家族の「アポイント」をとろう!
「シュフ型」で進めていく際に大事なことは、「家族のアポイントを確保する」ことです。
例えばパートナーに「網戸掃除をお願いね」と頼んだとしても、パートナー自身が網戸掃除に対する必要性や切迫感を感じていない場合、ずーーっと後回しになってしまうのは目に見えています。「なんだかいつまで待ってもやってくれないな…」ということが起こってしまうのです。
こうした事態を防ぐためにも、まずは家族のアポイントを確保するのが大切です。「8月30日にエアコンフィルターを掃除しようね!」「午前中だけで終わらせよう!」などリーダーが具体的な日時を決めて、各自のスケジュールに入れてもらうのです。
このときのポイントは、「1日かけてガッツリ終わらせる」というよりは、「今日は換気扇だけ」「洗面台の裏だけ」「お風呂のドアレールだけ」といった形で気になる部分を取り出して行うこと。1日あたりの負担感が少ないため、家族も取り組むハードルがぐっと下がります。
家族でシェアするときのポイント③
終わった後の「ご褒美」を決めよう!
家族で「念入りな家事」をシェアするときにおすすめなのが、「終わった後のご褒美」です。
たとえば「終わったらみんなでお寿司食べに行こう!」「ケーキを食べよう!」などなど。もちろん食べ物だけじゃなく、「家族みんなでプールにいこう!」といった形でイベントや外出をご褒美にするのも良いですね。自分も含めて、家族みんなでねぎらい合う時間を作りましょう。
家族でシェアするときのポイント④
大掃除は「12分割」で
月に1箇所ずつ取り組もう!
年末に大掃除をやろうとすると「一気にやるのは気が重い…」「なんでわざわざ寒い時期に…」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
まったくその通りです。寒くて身体も凍えてしまうような時期に、わざわざ大変な掃除を一気にやる必要はありません。
今回は、「大掃除を12分割して、月に1箇所ずつ家族でやっていく方法」をご紹介します!
▼三木さん「直伝の「おすすめの12分割モデルケース」
| 月 | おすすめの家事 |
|---|---|
| 1月 |
本棚・クローゼット・衣装ケース・引き出し整理。(捨て活)
→新年に気持ちよく、一気に物を整理。何かとモチベーションの高いこの時期だからこそ、1年を通した仕組みづくりを。 |
| 2月 |
リビング・家具の裏
→ソファや棚の裏など、ホコリが溜まりやすい場所を。 |
| 3月 |
玄関・靴箱・傘立て
→春の訪れとともに「出入り口を整える」ことで気分転換。風通しも◎ |
| 4月 |
ベランダ・窓・網戸
→花粉が落ち着いてきたら、外まわりを一気に整えるベストシーズン。 |
| 5月 |
トイレ・照明・天井の掃除
→気持ちよく夏を迎えるために。意外と手が回らない場所を集中して。 |
| 6月 |
浴室・洗面所(防カビ・換気扇)
→湿気が多くなる梅雨時に、先手でカビ予防。こまめにやると◎ |
| 7月 |
エアコンフィルター
→本格的に夏に向けて、エアコンをリフレッシュ。 |
| 8月 |
寝室・布団・マットレス・カーテン
→洗濯物が乾きやすい時期。布団の丸洗いやベッド下の掃除なども快適に。 |
| 9月 |
換気扇(キッチン)
→洗面倒なキッチン換気扇も、汚れがたまりきってしまう前に掃除。 |
| 10月 |
洗濯機・乾燥機・家電まわり
→年末の使用頻度が上がる前に整備。気候的にもカビが出にくく、作業しやすい。 |
| 11月 |
ベッドルームのクローゼット(秋の衣替え)
→秋冬の準備とともに収納の見直しを。 |
| 12月 |
冷蔵庫・食品庫・パントリー
→冷蔵庫の中身が溶けにくい時期。冷蔵庫の中身チェック&防臭対策もできる。 |
掃除する場所によって、「向いている時期」と「そうでない時期」があります。たとえば換気扇やガスコンロなどの油汚れなら、夏のほうが落としやすいと言われています。また冷蔵庫の掃除なら、冷蔵庫の中身が溶けにくい冬場が良いでしょう。
【体験談】
家族で「キッチン周りの油汚れ掃除」
に取り組んでみた!
「油汚れは夏のほうが落ちやすい」とのことで、いつもは冬に行っていた「キッチン周りの油汚れ落とし」に挑戦しました。今回のお掃除はパパが担当。子どもたちもパパのお助け隊ということで、積極的に参加してくれました!
・リーダー:パパ
・お助け隊:
長女(10歳):
IH薬剤散布と拭き上げ/壁の油汚れ落としのお手伝い担当
二女(3歳):IH薬剤散布後のラップ担当
▶IHコンロ
IHコンロの焦げは、専用の薬剤を散布すると、いつも簡単にスルリと気持ちよく落ちてくれます。
しかし、今回はだいぶ積もり積もった「焦げのミルフィーユ状態」…。かなりやりがいがありそうです!
子どもたちも実験のように、お薬をペタペタ。
より薬剤を密着させるためにラップでコーティングさせます!
薬を散布した約3時間後、焦げは既に液体化していました。
子どもたちも「こんなに簡単に落ちるんだね!」と、目を丸くしていました。
▶キッチンの壁
壁にも油が飛び散り、あちらこちらテカテカに…。
よくみると、油の筋がたくさんできています。
こちらはキッチン用の洗剤で、簡単に落とすことができました。
▶レンジフードや換気扇
レンジフードや換気扇の油は手ごわくて、毎年「どうしようかな‥」と頭を抱えてしまいます。
今回も油にくっついたほこりが「層」に…。
しかし、中性洗剤を使って拭き上げていくと、あっという間に綺麗になりました!
お掃除後のキッチンまわりがこちら。新品かと思うほど綺麗になりましたね!
夏に作業したことで、時間が大幅に減少!
今までは冬場に掃除していましたが、油汚れがなかなか落ちず、「油が右に左に移動しているだけ…?」と感じてしまうような、忍耐のいる作業でした。
今回は外気温35度の夏場に作業したことで、汚れ浮きの待ち時間も作業時間も大幅に短縮でき、作業自体も楽だったという印象です。ストレスなく作業を進められました。これからは毎年夏のイベントになりそうです!
やるまでは気が重い掃除ですが、やってみると努力がしっかりと目に見えて分かるので達成感が半端ないですね!
忙しいとつい後回しになりがちですが、やって良かったです。
初めてキッチンの大掃除に参加した子どもたちの声からは、「壁の油を落とすのが少し大変だったけれど、キッチンがキレイになって気持ちよかった」「パパと一緒にラップができて楽しかった」と嬉しい感想が。
ちなみに今回のご褒美は、「ヨーグルトが食べたい!」という可愛いリクエストでした。全部が終わるまで待ちきれず、汚れ浮きの待ち時間にみんなで美味しくいただきました。
大掃除に頼らない、新しい掃除習慣
今回は、家族で掃除をシェアするポイントや体験談をお伝えしました。
大掃除を年末だけに頼るのではなく、毎月少しずつ取り組むことで、寒い時期に一気に取り組むよりも、ストレスなく気軽に続けられるはずです。
「終わった後のご褒美」も忘れずに、ぜひご家族で楽しく取り組んでみてはいかがでしょうか?

